保険医療機関(医科、歯科、調剤薬局)への個別指導のブログ

厚生局の保険医療機関(医科、歯科、調剤薬局)への個別指導や監査について、情報提供を行います。

柔道整復施術療養費の疑義解釈(個別指導:整骨院)

柔道整復師においても、医歯薬と同様に、厚生局による不正のチェックの仕組みがあり、同様に個別指導が実施されています。そして、同様に、厚生労働省が療養費の請求に関する疑義解釈をウェブページで公表しています。

ここでは、地方厚生局医療課など宛の平成30年5月24日付けの事務連絡である、「柔道整復施術療養費に係る疑義解釈資料の送付について」をご紹介します。新たな仕組みの施術管理者の要件関係の疑義解釈が中心です。関東信越厚生局のウェブページで公表されているものに基づいています。

柔道整復師の方は、内容を確認いただき、整骨院の新規開設や整骨院の療養費の請求において、ご活用下さい。なお、整骨院の指導監査については、柔整師への個別指導、監査(整骨院)の弁護士によるコラムのウェブページが参考になります。

 

柔道整復施術療養費に係る疑義解釈資料の送付について

柔道整復師の施術に係る療養費(以下「柔道整復療養費」という。)の取扱いについては、「「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成22年5月24日保発0524第2号)等により実施しているところであるが、今般、その取扱い等に係る疑義解釈資料を別添のとおり取りまとめたので、参考までに送付いたします。
関係者に周知を図るとともに窓口での相談対応等にご活用いただき、個々の事案の状況により判断する際の参考とされますようお願いいたします。

 

【柔道整復療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件関係】

【証明関係】
(問1)
平成 29 年 3 月以前に柔道整復の養成施設(大学・専門学校)を卒業し、柔道整復師の資格を取得している者であって、実務経験1年以上を満たしている者が平成30年4月以降に施術管理者になる場合は、研修受講のみで良いか。

(答)
平成30年度における受領委任の届出は、柔道整復師の資格取得後の期間のうち、受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所で柔道整復師として実務に従事した経験の期間(雇用契約の期間)を実務経験期間証明書により1年以上の証明が可能であれば、研修の受講のみ必要となる。
平成30年4月以降の受領委任の届出には、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写の添付が必要であり、届出で証明が必要な実務経験期間は、平成33年度までは1年間、平成34年度及び平成35年度は2年間、平成36年度以降は3年間と、届出を行う時期に応じて段階的に実施することとしている。

 

(問2)
平成30年3月末までに、施術所を開設し、かつ、地方厚生(支)局又は都府県事務所に受領委任の届出を行った場合、実務経験や研修受講の必要はないか。

(答)
受領委任の取扱いの開始日は、地方厚生(支)局又は都府県事務所における受領委任の届出書類を受理した日による。
受領委任の取扱いの開始日が平成30年3月31日以前の場合は、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写は不要である。
※「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成 22 年5月 24 日付け保発 0524第2号)別添1別紙の 49 及び別添2の 47 の規定(適用除外)が適用)

 

(問3)
平成30年3月末現在に、施術管理者である者は、新たに届出が必要になるのか。
(平成30年3月末日に施術管理者として登録されている者は、届出をしなくても同年 4 月 1 日以降も施術管理者を続けることは可能か)

(答)
平成30年3月末に施術管理者である者が、同年4月1日以降も、引き続き、同一施術所で施術管理者として継続している間は、届出の必要はない。

 

(問4)
現在、当院(A 院)の施術管理者が、平成 30 年4月1日以降、別の院(B 院)の施術管理者となる場合は、実務経験と研修受講の証明が必要か。

(答)
事例については、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写が必要となる。
なお、施術管理者を継続する場合で、受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所(登録施術所)の移転(住所変更)の場合と、協定から契約又は契約から協定の変更の場合のみ、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写は不要。
実務経験期間証明書の写と研修修了証の写が不要となる施術所の移転(住所変更)とは、登録施術所において、施術所の名称や開設者の変更等を伴わない変更をいう。

 

(問5)
以前に務めていた施術所で自身が施術管理者であった実務経験の期間は、誰が証明するのか。

(答)
自身が施術管理者であった登録施術所が現存している場合は、現在の開設者又は施術管理者が証明することとなり、登録施術所が廃止となっている場合は、開設者であった者又は自分自身となる。
なお、いずれの場合であっても、当該施術所での雇用契約の期間を確認したうえで、証明することとなる。

 

(問6)
勤務していた施術所が閉鎖され、管理者(開設者及び施術管理者)の実務経験期間証明書の交付を受けられない場合の証明はどうなるのか。
・実務経験の証明は、公的機関等の発行する書類が必要となるのか。

(答)
実務経験証明書は、受領委任を取扱う施術所における雇用契約期間について、施術所の管理者(開設者又は施術管理者)が証明する。
登録施術所の廃止などにより、管理者(開設者又は施術管理者)の実務経験期間の証明が不可能な場合、「氏名、生年月日、従事期間」欄を記入した実務経験期間証明書に加え、公的機関が発行する書類(例えば、雇用保険における離職票)や当該施術所からの給与の支払が確認できる書類など、第三者による雇用契約関係の事実を証明する書類の添付が必要である。

 

【実務経験関係】
(問 10)
実務経験期間とはどのような期間なのか。
・平成 30 年4月以降の期間のみ対象か。
・施術管理者として勤務していないと、実務経験として認められないのか。

(答)
開設者又は施術管理者が実務経験期間証明書により証明する実務経験期間は、柔道整復師の資格取得後の期間のうち、受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所において柔道整復師として実務に従事した経験の期間(雇用契約の期間)であり、当該施術所の施術管理者又は勤務する柔道整復師の勤務(雇用契約)期間である。

 

(問 11)
勤務柔道整復師として登録されていたが、正式雇用ではない場合の取扱いについて施術所でのアルバイト期間でもいいのか。

(答)
登録施術所の管理者(開設者又は施術管理者)が雇用契約期間を確認したうえで「実務経験期間証明書」に証明するものであり、証明において雇用形態(常勤、非常勤、パート、アルバイト)や勤務時間は問わない。
なお、雇用契約内容が、他の常勤の勤務柔道整復師の勤務時間の3分の2未満であるなど、いわゆる短時間労働者であった場合でも雇用契約期間として認められるものであれば実務経験期間証明書の作成は可能である。

 

(問 12)
施術管理者としてではなく、勤務する柔道整復師として働く場合、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写は必要になるのか。

(答)
施術所に勤務する柔道整復師として働く場合には、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写は必要としない。

 

(問 13)
平成 30 年3月末日までに開設し施術管理者となってから1年以上経過し、一旦、辞めた(辞退・閉鎖)後、再度、開設して施術管理者となる場合、実務経験期間証明書の写は必要か。

(答)
実務経験期間証明書の写と研修修了証の写は必要である。

 

(問 14)
実務経験期間に、機能訓練指導員の勤務期間は含まれるか。

(答)
実務経験期間は、柔道整復師の資格取得後の期間のうち、受領委任の取扱いを行う登録施術所で柔道整復師として実務に従事した経験の期間(雇用契約の期間)。
機能訓練指導員の勤務期間は含まれない。

 

(問 15)
現在、柔道整復の養成施設の教員として勤務している。
教員の期間は実務経験に含まれるか。

(答)
受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所で柔道整復師として実務に従事した経験の期間(雇用契約の期間)ではないため、実務経験期間には含まれない。
また、養成学校の教員の資格があることをもって、実務経験の期間を認めるものではない。
なお、当該者が施行日後に新たに受領委任の届出を行う場合、養成施設の教員になるために実務経験を積んだ施術所が登録施術所であれば、当該施術所の管理者から、実務経験期間の証明を受ける必要がある。

 

(問 16)
施術管理者の要件として実務経験を積むための施術所としては何か登録が必要となるのか。

(答)
新たな施術管理者の登録の際に必要となる実務経験を積むための施術所としては、受領委任の届出のほかに必要な手続きはない。

 

(問 17)
柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件について」(平成 30 年 1 月 16 日付保発第 0116 第2号)の別紙1「柔道整復療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件に係る取扱について」の4(2)「関係法令等を遵守した上で、不利益な取扱いを行わないこと。」の「不利益な取扱い」とはどういうものか。

(答)
登録施術所の管理者(開設者又は施術管理者)による適正な雇用を確保するための記載である。例えば、実務経験期間を証明することを理由として、無償で雇用契約するようなことを禁じるためのものである。

 

(問 18)
実務経験を受け入れた場合の雇用条件は、施術所ごとの判断でよいのか。

(答)
各施術所ごとの判断となるが、関係法令等を遵守したうえで不利益な取扱いを行わないようにするべきである。

 

【研修関係】
(問 19)
研修の受講は、実務経験を満たす前に受講しても良いのか。

(答)
そのとおり。

 

(問 20)
現在、償還払のみを取扱っている施術所(受領委任の届出を行っていない)の柔道整復師も、研修受講の必要があるか。

(答)
引き続き、償還払いのみを取扱う施術所は必要ないが、今後、受領委任を取扱うとして受領委任の届出する場合は、地方厚生(支)局又は都府県事務所へ受領委任の届出書類の添付資料として、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写が必要である。

 

(問 21)
研修は全ての柔道整復師に対して義務となるのか。

(答)
柔道整復師の資格を取得している全ての者に対しての義務ではなく、新たに受領委任を取扱う施術管理者となる場合は、地方厚生(支)局又は都府県事務所へ受領委任の届出書類の添付資料として、実務経験期間証明書の写と研修修了証の写が必要である。

 

(問 22)
柔道整復師の免許取得後、すぐに施術管理者の研修を受け、実務経験を満たした後、施術管理者として申請しても良いか。

(答)
良い。
研修は、研修受講を修了した証明として、研修修了証を交付されることとなり、研修の終了日から5年間の有効期間が設けられている。
研修修了証に記載の有効期間中に、受領委任の届出を行う場合は、新たに研修を受講する必要は無いが、有効期間を経過後、新たに受領委任の届出を行う場合は、あらためて、研修を受講する必要がある。

 

(問 23)
受領委任の届出の後に研修を受講することは可能か。
(研修受講の前に受領委任の届出は可能か。)

(答)
新たに受領委任の施術管理者となる要件の実務経験期間と研修修了が証明可能となった時以降に、受領委任の届出を行うものである。
(特例措置に該当する場合は除く。)

 

【届出関係】
(問 24)
受領委任の届出にはどのような書類が必要か。

(答)
別紙、「《各種手続き一覧早見表》」を参照。(※本ブログでは記載省略)

 

【特例対象者】
(問1)
特例の対象となる者はどのような者か。

(答)
平成 30 年3月の国家試験で柔道整復師の資格取得後、すぐに施術管理者となる計画をしている者で、同年4月1日から5月末日までに、受領委任の届出を地方厚生(支)局又は都府県事務所に提出した者が対象である。(以下「特例対象者」という。)

 

【特例対象者に係る実務経験関係】
(問2)
特例対象者の実務研修とは、どのようなものか。
(答)
特例対象者が施術所を開設した後、自身が運営する施術所以外で、受領委任の取扱いを行うとして登録された施術所において、柔道整復師の実務を研修するものである。

 

(問3)
特例対象者が運営する施術所以外で実務研修をする期間の「合計7日間相当(1日あたり7時間程度)」は、具体的に何時間必要か。

(答)
少なくとも合計 49 時間(1日あたり7時間×7日間)以上が必要である。

 

(問4)
特例対象者の実務研修では、賃金の支払が必要か。

(答)
特例対象者の実務研修は、賃金の支払を必要とするものではない。

 

(問5)
特例対象者の実務研修を実施する施術所は、特例対象者を保健所及び地方厚生(支)局又は都府県事務所に勤務する柔道整復師としての届出が必要か。

(答)
実務研修であり雇用契約は不要のため、実務研修先の施術所は、当該柔道整復師を勤務柔道整復師として届出する必要はない。
この場合、実務研修先の施術所での特例対象者の施術は、受領委任の取扱いは認められない。

 

(問6)
特例対象者が運営する施術所以外で実務研修をする期間の「合計7日間相当(1日あたり7時間程度)」は、必ず1日あたり7時間が必要か。

(答)
「実務研修」は、特例対象者が自身で運営する施術所以外で受けるものであることから、必ず1日あたり7時間が必要なものではない。
例えば、午前中は特例対象者自身が管理する施術所で勤務し、午後のうち3時間を実務研修とし、17 日間といった内容でも差し支えない。(合計 49 時間以上が必要。)

 

(問7)
特例対象者が管理する施術所以外で実務研修をする登録施術所の要件「現在、若しくは過去に行政処分を受けていないこと」の「行政処分」とは、どのようなものか。

(答)
医政局医事課において公表している「柔道整復師等に対する行政処分一覧表」に掲げられている場合である。

 

(問8)
特例対象者が管理する施術所以外で実務研修をする登録施術所の要件「施術管理者として継続した管理経験が3年以上あること」は、1つの施術所で継続した期間か。

(答)
1つの施術所で継続した期間のほか、複数の施術所で施術管理者の期間が継続している場合、その継続した期間も含まれる。

 

(問9)
実務研修をする登録施術所の施術管理者が、継続した管理経験が3年未満の場合、当該施術所での実務研修は、特例対象者に係る実務研修の期間として認められるか。

(答)
特例対象者が実務研修をする登録施術所の施術管理者は、継続した管理経験が3年以上必要であることから、事例の場合は、認められない。
また、実務研修を行う登録施術所の施術管理者が継続した管理経験が3年未満の場合は、実務研修を行ってはならない。

 

平成30年5月24日付けの事務連絡の疑義解釈は以上のとおりです。整骨院接骨院を開業するとき、また、日常の施術や、厚生局の個別指導となってしまった際など、柔整師の方はご活用下さい。

調剤診療報酬点数表関係の疑義解釈(薬局個別指導)

厚生労働省保険局医療課による地方厚生局医療課など宛の平成30年3月30日付けの事務連絡である、「疑義解釈資料の送付について(その1)」の、調剤診療報酬点数表関係に関する部分をご説明します。関東信越厚生局のウェブページの公表資料に基づいています。

保険薬局の方は、内容を確認いただき、薬局の薬剤師の方と共有し、日々の調剤などにご活用下さい。なお、保険薬局の指導監査については、個別指導(薬局)の弁護士のコラムのウェブページが参考になります。

 

疑義解釈資料の送付について(その1)

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(平成 30 年厚生労働省告示第43号)等については、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成 30 年3月5日保医発 0305 第2号)等により、平成30年4月1日より実施することとしているところであるが、今般、その取扱いに係る疑義照会資料を別添1から別添5のとおり取りまとめたので、改定説明会等にて回答した事項と併せて、本事務連絡を確認の上、適切に運用いただくようお願いします。

 

調剤診療報酬点数表関係

【調剤基本料】
問1
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合を算出する際に除くこととしている、同一グループの保険薬局の勤務者には、保険薬局に勤務する役員も含まれるか。また、例えば本社の間接部門の勤務者等についても、含まれるか。

(答)同一グループの保険薬局の勤務者には役員を含める。また、間接部門の勤務者等でも、保険薬局業務に関与する部門の勤務者であれば含める。

 

問2
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合(処方箋集中率)について、「特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値」とされたが、以下の場合の当該保険薬局の処方箋受付回数と集中率はどのように算出することになるか。
保険薬局の1年間の処方箋受付回数
医療機関(歯科以外) 2,000 回
医療機関(歯科) 100 回
医療機関以外 20,000 回
※ A医療機関が最も処方箋受付回数が多い

(答)
処方箋受付回数について
2,000 + 100 + 20,000 = 22,100 回 となる。
処方箋集中率について
((2,000 + 100)/22,100)× 100 = 9.5% となる。

 

問3
調剤基本料の「注9」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。

(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方箋について分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。
【具体例】(90 日分処方 → 30 日×3 回の分割指示、調剤時には一包化を行う)
※薬剤料は調剤した分を算定
〈1回目〉
・調剤基本料 41 点
・地域支援体制加算 35 点
・調剤料(2剤の場合) 172 点(90 日分)
・一包化加算 220 点(90 日分)
・時間外加算 248 点
・薬剤服用歴管理指導料 41 点
計 757点 × 1/3 = 252.333≒252 点+薬剤料(30日分)
〈2回目〉
・調剤基本料 41 点
・地域支援体制加算 35 点
・調剤料(2剤の場合) 172 点(90 日分)
・一包化加算 220 点(90 日分)
・薬剤服用歴管理指導料 41 点
・服薬情報等提供料1 30 点
計 539 点 × 1/3 = 179.666≒180 点+薬剤料(30 日分)
〈3回目〉※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料 41 点
・地域支援体制加算 35 点
・調剤料(2剤の場合) 172 点(90 日分)
・一包化加算 220 点(90 日分)
・時間外加算 248 点
・薬剤服用歴管理指導料 41 点
・服薬情報等提供料1 30 点
計 787 点 × 1/3 = 262.333≒262 点+薬剤料(30 日分)


【服薬情報等提供料】
問4
かかりつけ薬剤師指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定していない患者について、当該患者の介護にかかわっている介護支援専門員等からの求めに応じ、服薬状況の確認及び必要な指導の内容について提供した場合に、服薬情報等提供料2を算定して差し支えないか。

(答)患者の同意を得るなどの要件を満たせば、算定して差し支えない。

 

【かかりつけ薬剤師指導料】
問5
かかりつけ薬剤師指導料において、「必要に応じ、患者が入手している調剤及び服薬指導に必要な血液・生化学検査結果の提示について、患者の同意が得られた場合は当該情報を参考として、薬学的管理及び指導を行う。」とされているが、具体的にどのような業務を想定しているのか。

(答)例えば、腎機能低下により投与量の調節が必要な薬剤が処方されている患者に対して、腎機能検査結果(血清クレアチニン(Cr)、推定糸球体濾過量(eGFR))を参照するなどにより、用法・用量の適切性や有害事象の発現の有無を確認することが想定される。

 

【分割処方】
問6
分割指示に係る処方箋について、何回目の分割調剤であるかにかかわらず、別紙を含む全ての処方箋が提出されない場合は、処方箋を受け付けられないという理解でよいか。

(答)貴見のとおり。

 

【服用薬剤調整支援料】
問7
服用薬剤調整支援料に規定する内服薬に、浸煎薬及び湯薬は含まれないと理解してよいか。

(答)貴見のとおり。


問8
服用薬剤調整支援料について、内服薬の種類数は2種類以上同時に減少する必要があるか。同時でなくてもよい場合、内服薬の種類数の減少はいつを起点とすればよいか。

(答)同時でなくてよい。保険薬剤師が減薬の提案を行った日以降に、内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続した場合に算定する。

 

問9
服用薬剤調整支援料について、「保険医療機関から提供された処方内容の調整結果に係る情報は、薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により記録・保持する。」となっているが、医療機関から情報が得られるのか。

(答)保険薬局において服用薬剤調整支援料を算定する場合、基本的に保険医療機関は薬剤総合評価調整管理料の算定要件を満たすことになり、保険医療機関から情報提供がなされることが想定される。
(参考:薬剤総合評価調整管理料の算定要件(抜粋))
保険薬局からの提案を踏まえて、処方内容の評価を行い、処方内容を調整した場合には、その結果について当該保険薬局に情報提供を行う。


問10
地域支援体制加算が新設され、基準調剤加算が廃止されたが、両加算で共通する施設基準については、その取り扱いに変更はないと解してよいか。
また、平成 30 年3月 31 日において現に基準調剤加算を算定している保険薬局が、4月以降に地域支援体制加算を算定するため4月 16 日までに施設基準の届出を行う場合、基準調剤加算の施設基準と同一の要件であっても改めて関係書類を添付する必要があるか。

(答)変更ないものとして取り扱ってよい。また、改定前の基準調剤加算届出時の添付書類と内容に変更を生じていないものについては、改めて同じ書類を添付しなくても差し支えない。


問11
地域支援体制加算の地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績のうち、(ト)の在宅患者訪問薬剤管理指導料等の単一建物診療患者が1人の場合の算定回数について、改定前の在宅患者訪問薬剤管理指導料等の同一建物居住者以外の場合の算定回数を含めてよいか。

(答)届出前の直近1年間に実施したものは含めて差し支えない。


【薬剤服用歴管理指導料】
問12
薬剤服用歴管理指導料の特例について、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当した場合であっても、直近3月間における割合が 50%を上回った場合には、その時点で「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないとされているが、日単位ではなく月単位で判断することでよいか。

(答)貴見のとおり。3月で算出した割合が 50%を上回った翌月から、通常の薬剤服用歴管理指導料を算定すること。


問13
調剤報酬明細書において、薬剤服用歴管理指導料について手帳の持参の有無等により分けて記載することとなったが、患者に交付する明細書についても同様に分けて記載すべきか。

(答)貴見のとおり。6月以内に再度処方箋を持参した患者か否か、6月以内に再度処方箋を持参した患者に対しては、手帳持参の有無が患者に分かるように記載すること。例えば、6月以内に再度処方箋を持参した患者の場合は薬剤服用歴管理指導料の記載に加えて「手帳あり」又は「手帳なし」を、6月以内に再度処方箋を持参した患者以外の患者の場合は同指導料の記載に加えて「6月外」を追記することなどが考えられる。

 

【在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料】
問14
区分番号「15 の3」在宅患者緊急時等共同指導料及び区分番号「15 の4」退院時共同指導料における、カンファレンスや共同指導について、やむを得ない事情により対面が難しい場合、「リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いた場合」、とあるが、①やむを得ない事情とはどのような場合か。②携帯電話による画像通信でもよいか。

(答)①天候不良により会場への手段がない場合や、急患の対応により間に合わなかった場合をいう。②リアルタイムで画像を含めたやり取りが可能であれば機器の種類は問わないが、個人情報を画面上で取り扱う場合は、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した機器を用いること。

 

【その他】
問15
年度内に新規に開設した保険薬局に対する調剤基本料注3(50/100 減算)及び薬剤服用歴管理指導料の特例の適用期間はどのように考えたらよいか。

(答)開設日の属する月の翌月1日から1年間の実績により判断し、それ以降は前年3月から当年2月末までの実績により当年4月からの適用について判断すること。最初の判定までの間はこれらの減算又は特例は適用しないこと。

 

 

平成30年3月30日付けの薬局の調剤診療報酬点数表関係に関する疑義解釈の部分は以上のとおりです。疑義解釈は、しばしば関東信越厚生局などのウェブページで公表されており、重要な疑義解釈も少なくありませんので、薬局の開設者においては、保険調剤の請求にあたり、最新の情報に常にキャッチアップすることが望まれます。

医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱い

 

厚生労働省保険局医療課長などの、医薬品の適応外使用にかかる保険診療上の取扱いに関する、平成31年4月22日付けの行政通知(保医発0422第1号)をご紹介します。関東信越厚生局が公表している通知であり、適宜記載事項の編集等を行っています。

なお、保険診療の仕組みなどについては、弁護士による医科の保険診療のコラムが参考になります。

 

医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて

保険診療における医薬品の取扱いについては、厚生労働大臣が承認した効能又は効果、用法及び用量(以下「効能効果等」という。)によることとされているところであるが、「保険診療における医薬品の取扱いについて」(昭和55 年9月3日付保発第51号厚生省保険局長通知)により、有効性及び安全性の確認された医薬品(副作用報告義務期間又は再審査の終了した医薬品をいう。)が薬理作用に基づき処方された場合には、診療報酬明細書の医薬品の審査に当たり、学術的に正しく、また、全国統一的な対応が求められているところである。
これを踏まえ、今般、当該効能効果等の適応外使用の事例について、社会保険診療報酬支払基金が設置している「審査情報提供検討委員会」において検討が行われ、検討結果が取りまとめられたところである。
厚生労働省としては、別添の検討結果は妥当適切なものと考えているので、その取扱いに遺漏のないよう関係者に対し周知徹底を図られたい。

 

審査情報提供

社会保険診療報酬支払基金
審査情報提供検討委員会

 

第20次審査情報提供事例
審査情報提供事例№325
成分名オキサリプラチン②、レボホリナートカルシウム②、フルオロウラシル②(臨床腫瘍2)


325オキサリプラチン②、レボホリナートカルシウム②、フルオロウラシル②(臨床腫瘍2)


○標榜薬効(薬効コード)
⑴オキサリプラチン
その他の腫瘍用薬(429)
⑵レボホリナートカルシウム
解毒剤(392)
⑶フルオロウラシル
代謝拮抗剤(422)

 

○成分名
⑴オキサリプラチン【注射薬】
⑵レボホリナートカルシウム【注射薬】
⑶フルオロウラシル【注射薬】

 

○主な製品名
⑴オキサリプラチン
エルプラット点滴静注液50mg、同100mg、同200mg、他後発品あり
⑵レボホリナートカルシウム
アイソボリン点滴静注用25mg、同100mg、他後発品あり
⑶フルオロウラシル
5-FU注250mg、同1000mg、他後発品あり

 

○承認されている効能・効果
⑴オキサリプラチン(エルプラット点滴静注液50mg、同100mg、同200mg)
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
結腸癌における術後補助化学療法
治癒切除不能な膵癌
胃癌
小腸癌
⑵レボホリナートカルシウム(アイソボリン点滴静注用25mg、同100mg)
アレボホリナート・フルオロウラシル療法
胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強
イレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
結腸・直腸癌、小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強
⑶フルオロウラシル(5-FU注250mg、同1000mg)
下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解
胃癌、肝癌、結腸・直腸癌、乳癌、膵癌、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌
ただし、下記の疾患については、他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用することが必要である。
食道癌、肺癌、頭頸部腫瘍
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
頭頸部癌
レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
結腸・直腸癌、小腸癌、治癒切除不能な膵癌


○承認されている用法・用量
⑴オキサリプラチン(エルプラット点滴静注液50mg、同100mg、同200mg)
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び結腸癌における術後補助化学療法にはA法又はB法を、治癒切除不能な膵癌及び小腸癌にはA法を、胃癌にはB法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。
A法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/㎡(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
B法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして130mg/㎡(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
⑵レボホリナートカルシウム(アイソボリン点滴静注用25mg、同100mg)
ア レボホリナート・フルオロウラシル療法
通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射開始1時間後にフルオロウラシルとして1回600mg/㎡(体表面積)を3分以内で緩徐に静脈内注射する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
イ 結腸・直腸癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
(ア)通常、成人にはレボホリナートとして1回100mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして600mg/㎡(体表面積)を22時間かけて持続静脈内注射する。これを2日間連続して行い、2週間ごとに繰り返す。
(イ)通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして2600mg/㎡(体表面積)を24時間かけて持続静脈内注射する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
(ウ)通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして2400~3000mg/㎡(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。これを2週間ごとに繰り返す。
ウ 小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして2400mg/㎡(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。これを2週間ごとに繰り返す。
⑶フルオロウラシル(5-FU注250mg、同1000mg)
ア 単独で使用する場合
(ア)フルオロウラシルとして、通常、成人には1日5〜15mg/kgを最初の5日間連日1日1回静脈内に注射又は点滴静注する。以後5〜7.5mg/kgを隔日に1日1回静脈内に注射又は点滴静注する。
(イ)フルオロウラシルとして、通常、成人には1日5〜15mg/kgを隔日に1日1回静脈内に注射又は点滴静注する。
(ウ)フルオロウラシルとして、通常、成人には1日5mg/kgを10〜20日間連日1日1回静脈内に注射又は点滴静注する。
(エ)フルオロウラシルとして、通常、成人には1日10〜20mg/kgを週1回静脈内に注射又は点滴静注する。
また、必要に応じて動脈内に通常、成人には1日5mg/kgを適宜注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
イ 他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用する場合
フルオロウラシルとして、通常、成人には1日5〜10mg/kgを他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用し、アの方法に準じ、又は間歇的に週1〜2回用いる。
ウ 頭頸部癌に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
他の抗悪性腫瘍剤との併用療法において、通常、成人にはフルオロウラシルとして1日1000mg/㎡(体表面積)までを、4〜5日間連日で持続点滴する。投与を繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。本剤単独投与の場合には併用投与時に準じる。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。
エ 結腸・直腸癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
(ア)通常、成人にはレボホリナートとして1回100mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射、さらにフルオロウラシルとして600mg/㎡(体表面積)を22時間かけて持続静注する。これを2日間連続して行い、2週間ごとに繰り返す。
(イ)通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして2600mg/㎡(体表面積)を24時間持続静注する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
(ウ)通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射、さらにフルオロウラシルとして2400〜3000mg/㎡(体表面積)を46時間持続静注する。これを2週間ごとに繰り返す。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。
オ 小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射、さらにフルオロウラシルとして2400mg/㎡(体表面積)を46時間持続静注する。これを2週間ごとに繰り返す。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。

 

○薬理作用
⑴オキサリプラチン
DNAの複製及び転写阻害
⑵レボホリナートカルシウム
フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強作用
⑶フルオロウラシル
DNA合成阻害作用

 

○使用例
原則として、「フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、オキサリプラチン【注射薬】」をFOLFOX療法として「食道癌」に対して投与した場合、当該使用事例を審査上認める。

 

○使用例において審査上認める根拠
薬理作用が同様と推定される。

 

○留意事項
当該使用例の用法・用量
⑴オキサリプラチン
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/㎡(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
⑵レボホリナートカルシウム・フルオロウラシル
通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/㎡(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/㎡(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして2400mg/㎡(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。 これを2週間ごとに繰り返す。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。

 

○その他参考資料等
⑴Esophageal and Esophagogastric Junction Cancers version1.2018(NCCNガイドライン
⑵ Oesophageal cancer: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up(ESMOガイドライン

 

 

医薬品の適応外使用にかかる保険診療上の取扱いに係る行政通知は以上とおりです。日常の診療の際や、個別指導の際などにご活用下さい。

医科、歯科、薬局の個別指導の実施状況(平成29年度)

まず、厚生労働省の公表資料から、医科や歯科の医療機関、また、調剤薬局についての、年間の個別指導や監査などの実施状況について、説明をしていきます。

 

個別指導について知るためには、厚生局により、年間どのくらいの件数が実施され、どのような結果となっているか、統計的なデータを把握することがまず必要です。なお、保険医療機関への個別指導の実施の流れ、対応方法については、例えば歯科については、弁護士の歯科のホームページのコラムで詳細な記載があります。上記は、歯科の医療機関を対象とするコラムですが、基本的には、医科も薬局も、同様の仕組みとなります。

詳しく知りたい場合は、保険医協会などの書籍を購入し熟読することが考えられます。個別指導の書籍は、仕組みが徐々に変更されているため、最新の情報を知ることがポイントであり、記載内容が古い情報ではないか、留意する必要があります。インターネットで、歯科個別指導の書籍を立ち読みすることもできます。

 

説明を戻し厚生労働省の公表資料ですが、毎年12月ころ、前年度のデータが厚生労働省のホームページ上で公開されており、直近のものは、平成30年12月18日付けのもので、平成29年度のデータとなっています。

 

1 指導・監査の実施件数

まず、指導監査の実施件数についてですが、個別指導については、4617件となっており、対前年度比は、94件増となっています。この数値は、医科、歯科、薬局の個別指導のすべてを含む数値となっています。

新規個別指導については、6145件となっており、対前年度比で、28件減となっています。新規個別指導は、基本的には、新規に診療所や薬局などを開設した場合に、1年以内に実施されるものとなります。ただし、都道府県によっては、1年以上経ってから、新規個別指導が実施される場合もあります。

適時調査については、3643件となっており、こちらは、280件増となっています。病院に対する適時調査は、近年、厚生労働省が力を入れている分野であるというべきかもしれません。

そして、監査は、66件となっており、8件減となっています。監査まで至る場合は、事前に患者調査が実施されていることが多く、監査まで至ると、その保険医療機関などは大きな経営的な痛手を被ることになります。

 

2 取消しの状況

次に、取り消しの状況ですが、医科、歯科、薬局の全体として、保険医療機関等の指定取消しが13件、指定取消相当が15件、合計28件(対前年度比1件増)となっています。また、医師、歯科医師、薬剤師などの保険医等の登録取消しが17人、登録取消相当が1人、合計18人(対前年度比3人減)となっています。

以上の特徴ですが、保険医療機関の指定の取消処分及び指定の取消相当の原因、不正の内容を調査すると、不正請求、具体的には、診療がないのに診療報酬を請求してしまう架空請求、実際に行った診療に行っていない診療を付け加えて請求してしまう付け増し請求、実際の診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて請求してしまう振替請求、自費で診療を行い費用を受領しているにもかかわらず保険でも診療報酬を請求してしまう二重請求がそのほとんどを占めている、とのことです。

また、指定の取り消し処分、取消相当に至る端緒は、すなわちその医療機関に対して個別指導に至った端緒は、保険者、医療機関従事者、医療費通知に基づく被保険者からの通報が21件と、取消しとなった場合の多数を占めている、とのことです。実感として、情報提供による個別指導となった場合は、個別指導が中断となり、患者調査が実施されるケースが散見されます。患者調査の結果、不正請求の疑いが濃厚となった場合は、厚生局は、監査に踏み切ってくることが考えられます。

 

3 返還金額

厚生局などが、保険医療機関から返還を求めた額は、約72億0千万円(対前年度比約17億0千万円減)となっています。72億円というと、かなり大きな金額となりますが、その主要な部分は、病院など、規模の大きな保険医療機関に対する適時調査や個別指導、監査の結果、不適切な請求が明らかとなり、返還に至ったものであると考えられます。

具体的には、指導による返還分が約31億3千万円(対前年度比約約9億6千万円減)、適時調査による返還分が約36億8千万円(対前年度比約6億8千万円減)、監査による返還分約4億0千万円(対前年度比約5千万円減)となっています。

 

以上が、厚生労働省の保険医療機関への個別指導・監査の統計的な概要となります。